不安の時代 2019 4 14
レオナード・バーンスタインは、
オーケストラの指揮者として有名ですが、
実は、作曲家でもあったのです。
バーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」を
初めて聞いたのは、いつだっただろうか。
あれは、1990年前後だったと思います。
当時、日本経済は絶好調で、
やがてアメリカ経済に追いつくとまで言われました。
そのような時代に、「不安の時代」を聞いたので、
「アメリカ人は、悲観主義だ」と思ったものでした。
しかしながら、21世紀に入って、
日本だけでなく、世界も、「不安の時代」になったかもしれません。
いや、「不確実な時代」と言うべきでしょうか。
中国経済もEU経済も、不透明な状況なので、
今や、アメリカ経済は、「一人勝ち」と言えるかもしれません。
しかし、株価を見れば、そう言えるかもしれませんが、
中流階級が減少して、経済的格差が大きくなった社会では、
アメリカも、「不安の時代」と言えるでしょう。
アメリカの看板産業である「IT企業」は雇用を生まず、
雇用を生み出す製造業は傾いています。
さりとて、アメリカが「世界の工場」を中国から取り戻すのは、
もはや難しいと言えるでしょう。
2003年ごろだったでしょうか。
私の記憶が確かならば、ニューズウィーク誌に、
「アメリカで最後のテレビ生産が終わった」という小さな記事を見たと思います。